Webinar Webinar
back

Voice to Voice 産地体験会 もりの声・まちの声

もり側の声
まち側の声

国産材活用の背景

使うことで森が育つ、ということを意識してほしい(林業家)
産地体験会アンケート結果(体験前)
Q. 国産木材を利用しているのはどのような理由からですか?
産地体験会アンケート結果(体験後)
Q. 体験会を通じて、国産木材利用の意義を感じた
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
木材の流通を取り巻く様々な課題、問題を共有頂けた事で、木材使用についての選択肢の幅が増えました。ただ単にコストだけで決めるのではなく、その背景も含めて検討するべきと感じています。(不動産ファンド)
内装設計として木材を使うことが森を育てることに繋がることを知れた(空間デザイナー)
驚いたのは値段(材価)ですね。ああいう風に一本調子でどんどん下がっているとは…。そんな大変な状況なんだなと。(鉄道会社)
積極的に国産木材を使うことを意識はすると思います。どこかに使う理由がないか。クライアントに提案するチャンスがないか、という模索は少なくともしていくかと。 (空間デザイナー)
サスティナブルな業務が増えているまたは求めている顧客がいらっしゃるのでセールストークに活用し業務につなげたいと感じました (空間デザイナー)
木を育てることは、使う人があってのこと、ということに気づくことができました。 (百貨店)
自治体にPFIやSIBの組成などの提案機会があった際に、国産木材の課題もトピックに入れたいと感じました。(投資会社)
memo
体験会参加者の社会課題への関心は比較的高く、体験会後には9割以上のクリエイターが国産木材活用の意義を感じたと回答。また自由意見からは、国産材活用の意義を理解し、次の行動へ移すための意識が芽生えていることが窺える。 ※製作・施工業者の変化が少ないのは、国産材取り扱い事業者であり、既に基礎知識があることが理由と考えられる。

産地への意識

近くに素材があることを知ってほしい(木材コーディネーター・原木市場)
産地体験会アンケート結果(体験後)
Q. 国産木材にどのようなイメージをお持ちですか? 「入手しやすい」回答者の属性
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
自分たちが普段、都心に住んでいると自然や緑に触れる機会が少ないが、ちょっと1時間・1時間半くらい移動するだけでこれだけの自然がある、というのが印象的だった。(多摩参加者・鉄道会社)
埼玉・東京に西川材を使ってもらい、輸送費を抑え、 地産地消できるといいと思いました。(飯能参加者・空間デザイナー)
ヒノキの一枚板など特注品を都内の物件に提案できればと思いました。都内までであれば、運賃もさほどかからないので、どこまで加工ができるのかお問い合わせしたいです。 (飯能参加者・製品施工会社)
memo 産地側は「近い」という認識でも、空間デザイナー側で木材を「入手しやすい」と思っているのは半数以下、さらに施主は2割に満たず、両者の意識に違いがみられる。なお、今回参加した制作・施工業者は国産材取り扱い事業者のため、100%が「入手しやすい」と答えている。
近くの森を訪ねて、実際に触れてみてほしい(林業家)
材木市場にて、具体的に材を購入したい。 (プロダクトデザイナー)
今まで木材を使う際はメーカーの商品を買うという形を取っていましたが、今回の体験を通して生産者と直で繋がる事の大切さを知りました。なので日本全国にはどのような産地がありどのような生産者がいるのかを知りたいです。(空間デザイナー)
実際に行ってみると自分も何かしたいという気持ちが芽生えるので、多くの人にこの体験会に参加してほしいと思いました。木材の知識がなくてもわかりやすく説明してくださり大変ありがたかったです。(百貨店)
リアルに見れて、リアルに話を聞けたことがよかったです。生産者が愛情を持って木を育てている様子が心に残りました。(プランナー)
直接、供給元でコミュニケーションを取ることで、閃くアイデアや収まりが多いと感じる。 なのできちんと継続してコミュニケーションをとることが木材に対する知識を身につけ、実際の業務で反映するための1番の近道なのかもしれない。(空間デザイナー)
memo 自由意見から、「実際に訪ねること」で大きな意識変化があったことが窺える。今回のような産地体験会の機会が、参加者が携わる空間デザインや開発業務に影響を与え、彼らの周囲にも波及する効果が期待される。

木材に関する知識

木の特性やメリットをもっと知ってほしい(林業家・原木市場・製材所)
産地体験会アンケート結果(体験会前)
Q. 木材について学んだことはありますか? 「仕事を通じて学んだ」回答者の属性
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
国産材の中でも産地によって特徴があることを知った。ただ使命感で国産材を使うだけではなく、その中でもきちんと材に向き合って、良いと思うもの、合うものを選択していくことが必要だと思った。(空間デザイナー)
やはり原木をみて、具体的なデザインが思いつくかというとそれはかなり難しく、もっと木を知らないとなという反省が一番です。(空間デザイナー)
育てる場所、地域によって様々な材質の木材が生まれることを知りそれぞれの良さを活かして活用していきたいと感じました。(飲食メーカー)
国産材、は意識しても、産地までは意識していない。産地ごとの強み、特徴を是非確立して、教えてほしい。 (空間デザイナー)
memo 木材についての知識や技術は「仕事を通じて学んだ」という回答が半数以上。教育機関である美術大学や工学系大学の建築科でも木造について学べる場が少ない状況が見える。その分、業務に必要な情報をタイムリーに得られる機会が重要だと思われる。

木材を選ぶ基準

目に見えるところに良材・無垢材を使ってほしい(原木市場・木材コーディネーター)
産地体験会アンケート結果(体験会後)
Q. 木材を利用するとき、木材のどのような特徴を気にしますか? 「無垢材かどうか」回答者の属性
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
なぜ国産材を使わないのかを考えた時、木の特性や色味からセレクトしていると気が付いた。 (空間デザイナー)
クリエイターの方々の「本物の木を扱うのがハードルが高い」「無垢は高い」といった意見を聞いて、そう思わせないような、どのような付加価値が必要なのか知りたいです。(製品施工会社)
加工された材木屋に発注するのではなく、無垢の状態から、加工プロセスをデザイン出来たらなと思っています。 (空間デザイナー)
国産材は公共施設に使うことによって、人々が木を目にする、触れる機会が増えると感じた。無垢の魅力も同時に発信しなくてはならないと感じました。 (製品施工会社)
memo 「無垢材」を使ってほしい産地側に対し、空間デザイナー側は「色」への関心が高い。表面意匠材としての利用が多い内装・家具分野ならではのニーズのようだ。自由意見からは加工プロセスに関わりたい、双方ニーズをすり合わせたいという声もあり、両者の対話が必要だと考えられる。

コミュニケーション・情報発信

ブランディングやマーケティングが不足している(原木市場・木材コーディネーター)
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
産地材のブランディング成功事例を知りたい(空間デザイナー)
今回の体験は木に対する理解を深めることができ良いものとなりました。ただこの木の良さや川上側の思いをどう消費者に伝えていくかが課題かと思いました。 (広告代理店)
お互いのブランディングのために出来ることはあるか? 例えば、西川材の認知アップと弊社店舗での木材積極活用など。 (飯能参加者・飲食店)
林業関係者の皆さんの努力には敬意を表するが、さまざまな外部のブランディングプロデューサーからの知見を得て、地域全体で未来を切り開いて欲しい(空間デザイナー)
その地ならではの特性のある事例を創りあげることが大切。各地で魅力的で特色ある仕組みを模索し、互いに情報交換しながら、独自性を高めていくことが重要。 (プロダクトデザイナー)
memo 産地側も課題と捉えているように、使う側には産地の存在や木材の良さがあまり伝わっていないことが窺える。自由意見からは、互いのブランド向上のためにできること、情報交換の機会が重要という声もあり、産地側からの発信だけでなく、使う側との連携も重要である。
窓口になれるので、なんでも相談してほしい(製材所)
産地体験会アンケート結果(体験会後)
Q. 今回のような産地体験会にさらに希望することは何ですか?
「もっと現場の人たちと対話する時間がほしい」の回答者属性
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
コーディネーターさんにアドバイスをいただきたいです。 生産者様のご意見だけでなく、中立の立場の方に相談したいです。(百貨店)
こちらのアイデアを一緒になって具現化していくパートナーとなってほしい(空間デザイナー)
継続的に木材コーディネーターの方々と繋がりを持ち、顧客の要望に迅速に対応出来るようにしておきたい。(空間デザイナー)
林業家、製材所、木工所、店舗、学校の、経営、現場に関わる人と関連の行政で気概のある人と継続的に繋がっていきたい。 (空間デザイナー)
まとまった量の木材を使う時に樹種やルートなど相談に乗ってもらいたい。 (空間デザイナー)
memo 製作・施工業者の「現場の方々と対話をする時間がほしい」という意向が多かった一方、空間デザイナー・施主は3割前後と少ない傾向。自由意見からは、空間デザイナー・施主にとってはコーディネーターとのつながり強化による産地との関係構築を望んでいることがわかる。
我々もメッセージを発信しようという気になります(木材コーディネーター)
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
森林所有者の方が、どのくらいの期間、どのような思いで木を育てていらっしゃるかを発信して頂けると自然や環境を意識する方々が増えると考えます。 (物流会社)
地域を良く知るコーディネーターさんから、今まであまり見たことのない材や旬の材等を定期的にコラムのように送って頂けると仕事に活かせるのではないかと思います。 (空間デザイナー)
林業家の方に木材の在庫や産地情報、製材屋さんに面白い板材(柱材)や現地の情報などをいただきたい。(空間デザイナー)
実際に一般的に手に入り製材所が加工できる樹種と寸法をリスティングして欲しい 。製材屋さんや材木屋さんに聞くと、結果的に高値になって木材の採用自体が流れることがあります。材木は同じ樹種でもサイズによって値段が全く異なることも多いので、どのくらいのサイズでどれくらいの値段帯かわかると、設計段階から木材利用を考えやすいと思いました。(空間デザイナー)
無垢木材を扱う、いちメーカーとしてだけでなく、川上と川下をつなぐコーディネーターとしての役割りが求められていると感じた。アンテナを張り、有益な情報提供(マッチング)ができるよう心掛けたい。 (製品施工会社)
memo 参加者からは、樹種や寸法、タイムリーな木材の情報、情報伝達の仕組みなど、幅広い内容への関心が窺える。産地側が意識しているように、使う側もまちに居ながらも多くの情報に接する機会を求めていることがわかる。

木材の活用イメージ

既にある定尺の木材(柱材等)を積極的に使ってほしい(原木市場・製材所)
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
角材を面材としてデザインしたり、面材を柱材としてデザインしたりと、既成概念を取り除いた発想で活用したい。(空間デザイナー)
歩留まりを高めるための提案は、逆に山側からあってもいいと思う。(環境団体)
8mの角材を重ねて1台の机を作ってみたい 。(空間デザイナー)
memo 本テーマに関する自由意見が少なかったことから、産地側のニーズが今回の産地体験会では伝わりきらなかった可能性がある。内装・家具デザインの分野では、建築構造材の定尺を活用することが効率的な活用になるという認識が、まだ浸透していないことが窺える。
未活用の部分(辺材・間伐材等)も使ってほしい(原木市場・製材所)
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
材にする工程で無駄になってしまう部分の活用方法を考えたい。(空間デザイナー)
木材で使えない部分が意外と多く、その部分をもっと活用できればと感じた。(広告代理店)
切断する木材の一式の資料があるとどの様に有効活用出来るのかイメージしやすいと感じました(空間デザイナー)
燃料として燃やしてしまったり捨ててしまっている材をマテリアルや商品等のきちんと使うことのできるものに生まれ変わらせる事はできないかを相談したい。 (空間デザイナー)
一本の木の半分は貨幣価値がないということや、山の木から海までつながる循環など、生産者の悩みや木材の重要性、環境への影響などの理解が深まった。(鉄道会社)
memo 空間デザイナー・施主ともに「製品になりにくい」と言われる木材の部分に対するコメントが多く、関心が高いテーマであることがわかる。「活用されないものを活用する」ことで生まれる価値への意識が高い傾向があるものと思われる。
木材をまるごと一本つかってほしい(林業家・木材コーディネーター)
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
杉の皮を剥いだ状態から直接アームで3次元加工して造作を作ることをしてみたいと思っています(空間デザイナー)
森で、木を 1 本買ってみたいです。 ①しばらく育てていただいて、作りたいものが見えてきたら伐採してもらい、乾燥→製材し ていただく。 ②株を買うみたいによさそうな木を買っておいて、数年後に価値を挙げて売る。木材買った人みんなで、木材の価値を上げるべく、いろんなことを試すのでは。(空間デザイナー)
1本、1本で、どれくらいの材料が採れるのかなと思いました。(見せていただいた森は)けっこう太さがばらばらなので、実際どこまで、例えば今年度、この時期までに使いたいという時に、どこまで使えるのかなというのが、なかなかわからない。(鉄道会社)
memo 立木や原木から使ってみたいというコメントが見られた。今回の産地体験会で木材になる前の姿である立木や原木に触れたことによって、まるごと一本活用することへの興味や空間デザインへの活用イメージの喚起につながったと思われる。
どんな木が欲しいのか、どんな使い方が求められているか知りたい(木材コーディネーター)
産地体験会アンケート結果(自由意見・体験会後)
<知りたいこと・オーダーしたいこと>
・川下までの工程で見えない、知られていない技術を知りたい
・針葉樹の乾燥はどの様な工程があり、どの様に反りが出るのかが知りたい
・針葉樹を床材として使うときの、表面強度をあげるにはどうすればよいか
・え、これ杉なの?と使ってみたくなるような仕上げ加工の情報
・樹皮を内装材として使うとしたら、流れを知りたい
・さまざまな山地の木材との出会い方、出会える場所があるのかどうか。
(空間デザイナー)
・木を選び、カットのオーダーまで気軽に出来る事(不動産ファンド)
・物流費用を下げるなら、小売りを意識したような、効率的な流通ルートの構築が必要だと
考えます(物流会社)
・木材の上流工程を今回知ることができたので、どのように加工され市場で使われていくのか
知りたいと感じました。(飲食店メ―カー)

<こんな木がほしい>
・消臭とか防虫効果などの付加価値があること
・納期・コストの安定した不燃材
・特徴的な木目やフシ
・何度も人が触れても、汚くなるのではなく、味わいが出る
・加工(裂いたり、塗ったり、染めたり)がしやすいと使いやすいと思います。
・強度や耐久性に優れている
・節がなるべく少ないもの
・和すぎない色や表情
・針葉樹から広葉樹まで、適材適所に。地産地消が基本
・柔らかすぎない樹種
・林業を営むひとに、個性の強い木材提供をお願いしてみたい
(空間デザイナー)
・空間のアクセントとなるデザインの木材
・5年に一度のスパンで改装を行うので安価であることが重要視されます。(飲食店メーカー)

<こんな使い方を考えたい>
・日本の新しい生活様式に合う木材の使用方法はどんなものがあるか。
コロナ禍で木材を使うとどのようなメリットを顧客に与えることができるか。(百貨店)
・サスティナビリティやSDGsに貢献したい、または、取り組まなければならない企業が
増えていることを踏まえ、展示会やイベントの会場、SPやPOPなど一般の人との接点、
出会いの場づくり、マッチングをできればと思う。(空間デザイナー)
memo 使う側からは立場や業種によって多種多様な要望が活発に見られた。ただ、使う側のニーズに産地側が一方的に知って応えるというだけでなく、お互いのニーズをすり合わせする機会を設けることが双方のギャップを埋めることにつながると考えられる。
back

© 一般社団法人 全国木材組合連合会 all rights reserved.