Webinar Webinar
back

Connect もりまちコーディネーター紹介

高濱 謙一
髙濱 謙一さん 秋川木材協同組合 事務局長

Q. 今のお仕事を始めたきっかけは? 大学まで出身地の兵庫で過ごし、就職をきっかけに東京に出てきました。紙の商社で新規開拓・企画営業・マーケティングを担当している中で、紙の原料である木材に国際認証であるFSC森林認証があり、その森が東京にもあったことから、東京の森に興味を持ち始めたところ、「東京の森」の木材が有効に活用されていないことを知りました。

東京というビッグシティで、出口が山ほどあるにもかかわらず「東京の森」の材があまり活用されていない。「そのギャップを埋める人間っているのかな?いないんだったらちょっとやってみようかな」というのがきっかけでした。

最初は林業会社に入ったのですが、林業立て直しは専門外ですし、非林業の立ち上げ環境はなかなか揃わず悩んでいたところ、木材協同組合に移って、林業会社や製材会社の社長さんと都内のユーザーの方との間に入る「通訳」や「翻訳」のような立場が、前職で培った新しい顧客と接点をつくってきた自分の力を発揮できるのではないか、と思いました。

Q. 東京の材、多摩産材の強みは? 都内から1時間半の距離というのは確実に強みです。例えば新宿御苑のスターバックスさんでも多摩産材のヒノキのテーブルを使われていますが、「東京の木だよ」と言えるのは大きな強みだと思います。そこに「産地証明」を付けるともう森まで特定できる。山林所有者から林業会社、製材業までつながっていきます。

その体験を私は「ストーリー」と言っています。 一つのテーブルでそれだけ物語がふくらむ。そのことを価値に転換していきたいと思っています。

Q. これから取り組んでいきたいことは? もりまち産地体験会を通じて、空間クリエイターの皆さんが、日頃の業務内容に照らし合わせながら素朴な疑問点をぶつけていらっしゃったこと。木材の活用を行う上での課題や、今後の深堀の仕方などを入念に確認していらっしゃったこと。真摯な受け止めをされているなと感心しました。

まずは森の現状と東京の木材が利用できるのだと言うことに”気づいて”もらうことが重要です。例えば、産地体験会のステージを3段階にし、今回の”気づくツアー”、次に”知るツアー”で材の種類や特徴、寸法などを共有、そして具体的に”活用するツアー”へ繋ぐスキームをつくっていけたらと思っています。

4月にはエコツアー会社の設立を予定しています。これまでの個人事業での取り組みに加え、旅行業登録を行うことで、本拠地あきる野市隣接の市町村からバス等で集客可能なこと、さらには国内旅行会社へツアーパックを販売し、隣接以外の都民中心に東京の森で開催するグリーンエコツーリズムを展開します。 また、他地域でも同様の相談を受けており、国内旅行会社との提携により、日本全国の地域で横展開を模索していきたいと思っています。

川畑 理子
川畑 理子さん 株式会社グリーンマム 代表

Q. 今のお仕事を始めたきっかけは? 2009年に起業し、都市部の非住宅物件に国産材の利用を提案、様々な地域と連携して木材調達をしてきました。その中で、お施主さんやデザイナー、クリエイターと言われる、木を使うことを「決める」立場の方々に、産地~製品化されるまでの行程を知って頂くことで、物件やデザインや地域により深い理解と愛着を持って頂けると感じ、山や製材所を巡るツアーを行ってきました。

Q. 産地材の強みやこだわりは? 例えば尾鷲ヒノキは針葉樹の中では強度も高く、美しく、多様な使い方ができるはずなのですが、ブラディングやマーケティングが不足しています。これは地域材全体に言えることだと思いますが、どういった使い方が求められているかを地域側も知る必要があり、地域側がやったことがない加工なども、様々な連携や工夫次第で可能になるということを、コーディネーターが一緒に具現化していく努力が必要だと思っています。

Q. これから取り組んでいきたいことは? 12年前に比べると確実に世の中が変わってきて「環境問題」「持続可能な未来」という、言葉を誰もが耳にするようになりました。でも、そのために私たちは何をすればいいの?という答えのひとつに「木を使う」ことがあげられます。

木を使うことは、森を育て守ることであり、森は二酸化炭素を吸収し、酸素を作る重要な役割を果たすので=持続可能な未来につながります。木材利用をご提案する中で、こういった深い意義も理解して頂きながら、一緒に未来を見て取り組んで頂けるような、普及活動を心がけたいと思っています。もちろん、デザイン性の高い物件に対応できるような、地域との連携やフレキシブルな動きもより加速させたいと思っています。

Q. まちへのメッセージ いかにクリエイターという方々が森を育てるために大切な存在かということです。木材を「使う」という考えを持ってもらうことが、単に高いデザイン性を発揮するだけではなく、日本の木材産業、林業、そして環境問題に大きく貢献する存在です。

逆に言うと木材を作りだす側がいくらがんばっても使う人がいなければその産業が衰退してしまい、その産業が衰退すると森を育てられなくなることで、環境問題にも発展する。使うきっかけを作ってくれるのがクリエイターで、木材利用の大きな意義を施主にも伝え、その利用を促進してくれる役割にもなってくれると思っています。

その上でまずは、図面の中でどう木材を使うか、ということを考えてみてほしい。クリエイターのみなさんが使うと決めることが、遠く離れた森林を守り、豊にしていると思い浮かべながら取り組んでもらえるとありがたいです。

強度や防火なども塗装や加工により様々な対応ができます。使用する場所によって材料を変えることでコストも調整ができる。1本の丸太から様々な用途に木材を使うなどのおもしろい取り組みもできる。ストーリーも一緒に考えることができるし、施主にも木材利用の深い意義を共有してもらうこともできる。1つの案件に対し、デザインを超えた大きな意義を一緒に見出すことができると思っています。

浅見 有二さん
浅見 有二さん NPO法人 西川・森の市場 事務局
西川バウム合同会社 代表

Q. お仕事の内容と始めたきっかけは? 製材所から出てくる木材をどうしたら活かしていけるか、製品にして販売する立場にいます。建築材料としての柱材が行き詰ってしまっているので、そこをもうちょっと何とかしたい。製材所が廃業してしまうのです。そのためには製材所にどういう材料を挽かせて、どういうところに提案していったらいい流れができるか、木材の活かし方を考えています。

以前はただ材木屋さん、工務店さんから言われたものを出すだけで儲かっていましたが、そのうちに外材(外国産木材)が入り、集成材が出てきて自分たちの状況が悪くなっているにも関わらず、本物の木材の良さを、真剣にお客様に伝えてえてこなかった為に、今の状況があると思っています。

東京に近いこの地域は、大消費地が近いというメリットを生かすよりも、木材産業から、ほかの働き口に変えるといった方向に流れており、世代交代を機に廃業する傾向が顕著です。木材が、人々が喜んでくれる楽しい仕事で 自分たちが工夫した分だけ収益が出るという状況を作ってあげない限りはこの流れは変わらないです。そのために、小さいことからでも結果を出していくという事が自分の仕事かなと思っています。

Q. これから取り組んでいきたいことは? 少人数でよいので、継続して交流をすることで本当の理解が深まり、新しい取り組みへのアイデアも生まれてくると思います。それも、一方通行ではなく、生産側から消費する側へのアプローチの両方向の交流があってこそ結果につながると思いますので、山側からの積極的なアプローチを企画したいと思います。

Q. まちへのメッセージ 素材がいくらよくても、やっぱり商品価値を上げるためにはデザインですね。どうぞ、好きに料理してください。そのきっかけとなる資料やサンプルのご提供や製材所のご案内もしますので、ぜひいろいろ試していただきたいです。

back

© 一般社団法人 全国木材組合連合会 all rights reserved.